Q.来年もらう100万円は、今のいくら分に当たるの?
A.利子率で「割り引く」と出せます。利子率5%なら、来年の100万円は今の約95万円分。将来のお金は、今のお金より値打ちが少し小さい、という考え方です。
⭐ 重要度:S / 出題頻度:S
📘 テキスト対応:第10章 10-3(地価)、第12章(投資)、第20章(資産価格)
📗 前提記事:なし
⏱ 読了目安:6分
まず、どこでつまずくのか
「割引現在価値」という言葉は、いかにも難しそうに見えます。でも中身は、「将来もらえるお金を、今の値打ちに直す」というだけのことです。順を追えば、かけ算・割り算だけで理解できます。
身近な例で考える
今の100万円を、年5%の利子がつく預金に入れると、来年には105万円になります。ということは逆に、来年の105万円は、今の100万円と同じ値打ちだと言えます。「将来のお金を、今の値打ちに戻す」――これが割引現在価値の考え方です。
実際に計算する
来年もらう金額を、今の値打ちに直すには、$(1 + 利子率)$ で割ります。来年の100万円、利子率5%なら、
「来年の100万円は、今の約95万円分」と読みます。将来になるほど、また利子率が高いほど、今の値打ちは小さくなります。
表で確かめる
「来年もらう100万円」が、利子率によって今いくら分になるかを並べます。
| 利子率 | 来年の100万円の現在価値 |
|---|---|
| 2% | 約 98.0万円 |
| 5% | 約 95.2万円 |
| 10% | 約 90.9万円 |
式にすると
「将来もらう金額を、$(1+利子率)$ を年数ぶんかけたもので割る」と読みます。2年後なら $(1+利子率)$ を2回かけて割ります。
経済学ではこう使う
土地の値段(地価)は、その土地から将来ずっと入ってくる地代を、今の値打ちに直して合計したものと考えます。投資をするかどうかの判断も、将来の利益を現在価値に直して比べます。のちに出てくる地価の公式は、この割引現在価値が土台になっています。
※ この説明が成り立つ前提
ここまでの説明は、話を分かりやすくするために次のような単純化をしています。細かい条件なので、はじめのうちは読み飛ばしても構いません。
- 割引率が毎年一定で、お金を確実に受け取れる場合の話です。
- 受け取りの時期は「1年後」「2年後」のように区切りをそろえて計算しています。
○×で確認
ここまでの内容を、○×で確かめます。5問すべてに答えてから、次の解説へ進んでください。
問1 来年もらうお金を今の値打ちに直すときは、(1+利子率) をかけ算する。
問2 利子率が高いほど、将来もらうお金の現在価値は小さくなる。
問3 利子率5%のとき、来年の100万円は今の約105万円分の値打ちがある。
問4 2年後にもらうお金の現在価値は、(1+利子率) を2回かけたもので将来の金額を割って求める。
問5 割引現在価値の考え方は、土地の値段(地価)を考えるときには使われない。
○×の解説
問1 来年もらうお金を今の値打ちに直すときは、(1+利子率) をかけ算する。
答え:×
かけ算ではなく割り算です。将来のお金を今に戻すときは (1+利子率) で割ります。かけ算をするのは、今のお金を将来いくらになるか計算するときです。
問2 利子率が高いほど、将来もらうお金の現在価値は小さくなる。
答え:○
そのとおりです。割る数が大きくなるので、今の値打ちは小さくなります。同じ来年の100万円でも、利子率2%なら約98万円、10%なら約90.9万円です。
問3 利子率5%のとき、来年の100万円は今の約105万円分の値打ちがある。
答え:×
約95万円分です。100÷1.05≒95.2万円と計算します。将来のお金は今のお金より値打ちが少し小さくなるので、100万円より大きくなることはありません。
問4 2年後にもらうお金の現在価値は、(1+利子率) を2回かけたもので将来の金額を割って求める。
答え:○
そのとおりです。式は「現在価値=将来もらう金額÷(1+利子率)の年数乗」でした。将来になるほど割る数が大きくなるので、今の値打ちはより小さくなります。
問5 割引現在価値の考え方は、土地の値段(地価)を考えるときには使われない。
答え:×
むしろ土台になっています。地価は、その土地から将来ずっと入ってくる地代を今の値打ちに直して合計したものと考えます。投資をするかどうかの判断も、同じ考え方で比べます。
次に読む:S0-13「R÷iになる理由」
この記事に誤りや分かりにくい点があれば、お問い合わせフォームからお知らせください。どの記事についてのご連絡かは、フォームに自動で入力されます。

