第6章

経済学の共通言語

効率と公平は別の話|パイを大きくすることと、分け方の偏りをなくすことは別問題

「全体を大きくする」と「かたよりなく分ける」は、似ているようで別の話です。効率と公平のちがいを、ホールケーキの例から順にほどいていきます。
経済学の共通言語

需要曲線とは:需要曲線は「1個に払ってもいい上限額」を高い順に並べたもの(右下がりと面積の読み方)

需要曲線を「1個ずつの支払上限額を、高い人から順に並べた階段」として読み解きます。右下がりになる理由と、面積が価値を表す仕組みを、自販機の飲み物を例にゼロから説明します。
ミクロ経済学

死荷重を三角形で捉える ― 誰の得にもならず消えてしまう余剰の話

課税や独占で取引の数が減ると、本当なら生まれていたはずの「得」が、誰の手にも渡らないまま消えてしまいます。この消えた得の大きさが、需要と供給のグラフの上で小さな三角形の面積として姿を現します。死荷重(deadweight loss)という言葉をおどろかずに、身近な中古品の売り買いから順番に組み立てて、三角形が見えてくるところまでを解説します。
ミクロ経済学

囚人のジレンマ:なぜ自分に得な選択が2人とも損させるのか

2人がそれぞれ「自分に一番得な行動」を選ぶと、協力し合ったときより2人とも損をする。そんな不思議な状況を、身近な話から順にほどいていきます。裏切りが得に見える仕組みを、利得表のイメージまで言葉でていねいに追いかけます。
ミクロ経済学

外部性:工場の煙は、だれの費用なのか

工場の煙や近所の花壇のように、取引の当事者ではない人にまで及ぶ迷惑や利益を「外部性」と呼びます。企業が払う費用と、社会全体が負う費用のあいだにできる「ズレ」として、その正体を、日常の場面からゆっくり組み立てていきます。
ミクロ経済学

ピグー税(Pigouvian tax):迷惑のぶんだけ税をかけて、生産量をちょうどよくする

工場の煙や騒音のように、当事者以外にまで迷惑が広がることがあります。その「迷惑のぶん」を税金にして企業に負担させると、生産量が社会にとってちょうどよい量に近づきます。これがピグー税です。日常の例から、そのしくみをゆっくり見ていきます。
ミクロ経済学

コースの定理:話し合いで「効率のよい結果」にたどり着ける、という考え方

隣どうしのもめごとは、どちらに権利があるかを決めさえすれば、あとは当人たちの話し合いで、もっとも無駄の少ない結果に落ち着くことがあります。この「話し合いの力」を整理したのがコースの定理(Coase theorem)です。前提がそろえば、権利が誰にあっても結論は同じ効率になる、という不思議な結論を、身近な例からゆっくりたどります。
ミクロ経済学

公共財はなぜ需要曲線を「縦に」足すのか

リンゴは一人ひとりが別々に食べます。でも公園は、皆が同時に同じ広さを使います。この「同時に使える」という性質が、需要曲線の足し方を横から縦へと変えます。私的財と公共財のちがいを、身近な例からゆっくり見ていきます。
ミクロ経済学

フリーライダー(ただ乗り)問題 — 「誰かが払うだろう」の落とし穴

みんなが「自分は払わなくても大丈夫」と考えると、街灯や道路のような「みんなで使うもの」がうまく用意されません。この「ただ乗り」のしくみと、なぜ税金による供給が必要になるのかを、身近な例からゆっくり解説します。
ミクロ経済学

逆選択とモラルハザード:情報のズレが生む「取引前」と「取引後」の2つの問題

売り手と買い手で持っている情報が違うと、市場はうまく回らなくなります。悪い品ばかりが残る「逆選択」と、契約後に気が緩む「モラルハザード」。中古住宅と保険の例で、この2つの起きるタイミングの違いをやさしく整理します。