〔問題〕
地域分析に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。
イ 日照、通風、乾湿等が基本的な土地利用形態や土地利用上の利便性に影響を及ぼすことがあるため、近隣地域の範囲の判定に当たっては、これらの事項に留意することが必要である。
ロ 同一需給圏は近隣地域を含んでより広域的であるが、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲までは含まない。
ハ 対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、不動産業者、建設業者及び金融機関等からの聴聞等によって取引等の情報を収集しておく必要がある。
ニ 建物及びその敷地の同一需給圏は、一般に当該敷地の用途に応じた同一需給圏とは一致しない傾向にある。
ホ 同一需給圏における市場参加者の属性の把握に当たっては、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲に留意すべきである。
⑴ イとロ
⑵ イとホ
⑶ ロとハ
⑷ ロとニ
⑸ ニとホ
解答
解説
この問題は、総論第6章第1節「地域分析」から問われている問題です。
イ：正
日照、通風、乾湿等が基本的な土地利用形態や土地利用上の利便性に影響を及ぼすことがあるため、近隣地域の範囲の判定に当たっては、これらの事項に留意することが必要である。
「近隣地域の範囲の判定の留意点」について述べられた選択肢であり、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意地勢、地質、地盤等は、日照、通風、乾湿等に影響を及ぼすとともに、居住、商業活動等の土地利用形態に影響を及ぼす【2134】
留意事項に直接の記載はありませんが、日照、通風、乾湿等は土地利用形態や土地利用上の利便性に影響を及ぼすことがあります。
従って、本肢の内容は正しいです。
ロ：誤
同一需給圏は近隣地域を含んでより広域的であるが、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲までは含まない。
「同一需給圏の範囲」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである【245】
従って、「類似地域を含まない」とする本肢は誤りです。
ハ：正
対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、不動産業者、建設業者及び金融機関等からの聴聞等によって取引等の情報を収集しておく必要がある。
「市場の特性の把握方法」について述べられた選択肢であり、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、平素から、不動産業者、建設業者及び金融機関等からの聴聞等によって取引等の情報（取引件数、取引価格、売り希望価格、買い希望価格等）を収集しておく必要がある【2152】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ニ：誤
建物及びその敷地の同一需給圏は、一般に当該敷地の用途に応じた同一需給圏とは一致しない傾向にある。
「建物及びその敷地の同一需給圏の範囲」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意同一需給圏は、一般に当該敷地の用途に応じた同一需給圏と一致する傾向があるが、当該建物及びその敷地一体としての用途、規模、品等等によっては代替関係にある不動産の存する範囲が異なるために当該敷地の用途に応じた同一需給圏の範囲と一致しない場合がある【269】
従って、「一致しない傾向にある」とする本肢は誤りです。
ホ：正
同一需給圏における市場参加者の属性の把握に当たっては、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲に留意すべきである。
「市場参加者の属性に関して把握すべき事項」について述べられた選択肢であり、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意市場参加者の属性については、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲【2144】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
