解答
解説
この問題は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」から問われている問題です。
イ：誤
対象不動産が借地権付建物である場合においては、借地権の価格に建物の再調達原価を加算することにより、借地権付建物の再調達原価を求めることができる。
「借地権付建物の再調達減価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意借地権の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算した額を求め、この価格に建物の再調達原価を加算して求める【329】
従って、付帯費用に関する記載が抜けているため本肢は誤りです。
ロ：正
建物の工事明細書により、建設に要する直接工事費、間接工事費、請負者の適正な利益を含む一般管理費等及び発注者が直接負担した付帯費用の額が判明している場合には、これらの明細を分析して適切に補正を行い、かつ、必要に応じて時点修正を行って建物の再調達原価を求めることができる。
「間接法による再調達原価の査定」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意建設に要する直接工事費、間接工事費、請負者の適正な利益を含む一般管理費等及び発注者が直接負担した付帯費用の額並びにこれらの明細（種別、品等、数量、時間、単価等）が判明している場合には、これらの明細を分析して適切に補正し、かつ、必要に応じて時点修正を行って再調達原価を求めることができる【333】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ハ：誤
観察減価法は、機能的要因及び経済的要因のみに着目して減価額を求める方法である。
「観察減価法」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意観察減価法は、対象不動産について、設計、設備等の機能性、維持管理の状態、補修の状況、付近の環境との適合の状態等各減価の要因の実態を調査することにより、減価額を直接求める方法である【356】
維持管理の状態、補修の状況は物理的要因に関するものです。
従って、「機能的要因・経済的要因のみに着目する」としている本肢は誤りです。
ニ：正
対象不動産が建物及びその敷地である場合においては、土地及び建物の再調達原価について、それぞれ耐用年数に基づく方法及び観察減価法を適用して減価修正を行った上で、さらにそれらを加算した額について減価修正を行う場合がある。
「減価修正の留意点」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意対象不動産が建物及びその敷地である場合において、土地及び建物の再調達原価についてそれぞれ減価修正を行った上で、さらにそれらを加算した額について減価修正を行う場合がある【2183】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ホ：正
建物の増改築・修繕・模様替等が実施されている場合においては、その内容を踏まえ、建物の再調達原価の査定に適切に反映させなければならない。
「減価修正の留意点」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意建物の増改築・修繕・模様替等は、その内容を踏まえ、再調達原価の査定に適切に反映させなければならない【2179】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
