解答
解説
この問題は、総論第2章第2節「不動産の類型」から問われている問題です。
イ：正
更地とは、建物等の定着物がなく、かつ使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいい、
この部分は正しい記載がされており、「更地の定義」について基準には以下のように記載されています。
基準・留意更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう【62】
当該更地の属する用途的地域の一般的な標準的使用との関連において、最有効使用が可能な土地である。
更地は常に最有効使用が可能です。
従って、本肢の内容は正しいです。
ロ：誤
建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいい、
この部分は正しい記載がされており、「建付地の定義」について基準には以下のように記載されています。
基準・留意建付地とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいう【63】
最有効使用の観点から建物を取り壊すことが妥当と認められる場合においても、建付地として部分鑑定評価を行うことがある。
「建付地の鑑定評価」について基準には以下のように記載されています。
基準・留意建付地の鑑定評価は、建物等と一体として継続使用することが合理的である場合において、その敷地（建物等に係る敷地利用権原のほか、地役権等の使用収益を制約する権利が付着している場合にはその状態を所与とする。）について部分鑑定評価をするものである【633】
従って、「取り壊しが最有効使用の場合にも」とする本肢は誤りです。
取り壊しが最有効使用の場合には、自用の建物及びその敷地（貸家及びその敷地）または更地として鑑定評価を行うのが適切です。
ハ：正
借地権とは、借地借家法（廃止前の借地法を含む。）に基づく借地権（建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権）をいい、借地借家法に規定する定期借地権は、借地権に該当する。
「借地権の定義」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意借地権とは、借地借家法（廃止前の借地法を含む。）に基づく借地権（建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権）をいう【64】
定期借地権も借地権の一種です。
従って、本肢の内容は正しいです。
ニ：誤
残存期間が１年未満となった定期借地権の付着している宅地は、底地には該当しない。
「底地の範囲」について述べられた選択肢です。
定期借地権も借地権の一種であるため、残存期間が1年未満となった定期借地権の付着している宅地も、底地に該当します。
従って、「底地に該当しない」とする本肢は誤りです。
基本的に、定期借地権の残存期間が短くなるほど、価格時点から近い時点に土地価格が復帰するため、底地の価格は高くなります。
ホ：正
区分地上権とは、工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいい、
この部分は正しい記載がされており、「区分地上権の定義」について基準には以下のように記載されています。
基準・留意区分地上権とは、工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいう【66】
民法第269条の２に基づく地下又は空間を目的とする地上権である。
「区分地上権」について民法には「地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる」と、記載されています。
これも本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
