解答
解説
この問題は、総論第3章を中心に様々な範囲から問われている問題です。
(1)：正
本肢は、総論第3章第3節「個別的要因」に関する問題となっています。
既存商業地において複数のマンションの建設が進んでいるなど、マンションを中心とした地域への移行が明らかな場合には、移行後の土地の種別である住宅地の個別的要因をより重視すべきである。
「移行地の個別的要因」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意見込地及び移行地については、転換し、又は移行すると見込まれる転換後又は移行後の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきであるが、転換又は移行の程度の低い場合においては、転換前又は移行前の種別の地域内の土地の個別的要因をより重視すべきである【126】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
(2)：正
本肢は、各論第1節「土地」に関する問題となっています。
宅地見込地の鑑定評価においては、特に都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度、付近における公共施設及び公益的施設の整備の動向等を総合的に勘案するものとする。
「宅地見込地の総合的勘案事項」について述べられた選択肢であり、基準には「都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度【675】」、「付近における公共施設及び公益的施設の整備の動向【676】」が例示されています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
(3)：正
本肢は、総論第4章に関する問題となっています。
代替性を有する２以上の財が存在する場合には、これらの財の価格は、相互に影響を及ぼして定まるものであり、不動産の価格も代替可能な他の不動産のほか、有価証券、貴金属といった財の価格と相互に関連して形成される
「代替の原則」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意代替性を有する二以上の財が存在する場合には、これらの財の価格は、相互に影響を及ぼして定まる。【146】不動産の価格も代替可能な他の不動産又は財の価格と相互に関連して形成される。【147】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
(4)：正
本肢は、総論第3章第2節「地域要因」に関する問題となっています。
住宅地域に存する不動産の鑑定評価を行うに当たっては、商業施設の配置の状態、洪水、地すべり等の災害の発生の危険性等の地域要因について、市場参加者の観点から明確に把握し、分析する必要がある。
「住宅地域の地域要因」について基準には「商業施設の配置の状態」、「洪水、地すべり等の災害の発生の危険性【92】」が例示されています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
(5)：誤
本肢は、各論第1節「土地」に関する問題となっています。
農地を農地以外のものとするための取引における農地の鑑定評価額は、比準価格及び収益価格を関連づけて決定するものとし、再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも比較考量して決定すべきである。
「農地を農地以外のものとする鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意農地の鑑定評価額は、比準価格を標準とし、収益価格を参考として決定するものとする。再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも関連づけて決定すべきである【668】
従って、「比準価格と収益価格を関連づけて決定する」としている本肢は誤りです。
