〔問題〕
個別的要因に関する次のイからホまでの記述のうち、正しいものをすべて掲げた組合せはどれか。
イ 「敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置」は、居住環境の極めて良好な住宅地域のうちにある優良住宅地において、特に着目すべき土地に関する個別的要因である。
ロ 宅地の各用途に共通する個別的要因として、「情報通信基盤の利用の難易」がある。
ハ 物流施設に関する個別的要因として、「屋根、外壁、床、内装、電気設備、給排水設備、衛生設備、防災設備等に関する破損・老朽化等の状況及び保全の状態」がある。
ニ 建物及びその敷地に関する個別的要因として、「修繕計画及び管理計画の良否並びにその実施の状態」がある。
ホ 賃貸用不動産に関する個別的要因として、「賃借人の属性」があるが、当該要因は、賃借人の業種、企業規模に関する事項であることから、居住用の賃貸用不動産において勘案する必要はない。
⑴ イとロとハ
⑵ イとロとホ
⑶ イとニとホ
⑷ ロとハとニ
⑸ ハとニとホ
解答
解説
この問題は、総論第3章第3節「個別的要因」から問われている問題です。
イ：誤
「敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置」は、居住環境の極めて良好な住宅地域のうちにある優良住宅地において、特に着目すべき土地に関する個別的要因である。
本肢は、「建物及びその敷地に関する個別的要因」について述べられた選択肢です。
「敷地内における建物、駐車場、通路、庭等の配置【132】」は、「土地に関する個別的要因」ではなく、基準には「建物及びその敷地に関する個別的要因」として例示されています。
従って、「土地に関する個別的要因」とする本肢は誤りです。
ロ：正
宅地の各用途に共通する個別的要因として、「情報通信基盤の利用の難易」がある。
本肢は、「宅地の各用途に共通する個別的要因」について述べられた選択肢です。
「情報通信基盤の利用の難易【112】」は、基準には宅地の各用途に共通する個別的要因として例示されています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ハ：正
物流施設に関する個別的要因として、「屋根、外壁、床、内装、電気設備、給排水設備、衛生設備、防災設備等に関する破損・老朽化等の状況及び保全の状態」がある。
「建物の各用途に共通する個別的要因」について述べられた選択肢であり、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意屋根、外壁、床、内装、電気設備、給排水設備、衛生設備、防災設備等に関する破損・老朽化等の状況及び保全の状態について特に留意する必要がある【2048】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ニ：正
建物及びその敷地に関する個別的要因として、「修繕計画及び管理計画の良否並びにその実施の状態」がある。
本肢は、「宅地の各用途に共通する個別的要因」について述べられた選択肢です。
「修繕計画及び管理計画の良否並びにその実施の状態【132】」は、基準には「建物及びその敷地に関する個別的要因」として例示されています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ホ：誤
賃貸用不動産に関する個別的要因として、「賃借人の属性」があるが、
この部分は正しい記載がされており、「賃貸用不動産に関する個別的要因」について留意事項には「賃借人の属性【2068】」が例示されています。
当該要因は、賃借人の業種、企業規模に関する事項であることから、居住用の賃貸用不動産において勘案する必要はない。
「賃借人の状況及び賃貸借契約の内容」について、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意賃料の滞納の有無及びその他契約内容の履行状況、賃借人の属性（業種、企業規模等）、総賃貸可能床面積に占める主たる賃借人の賃貸面積の割合及び賃貸借契約の形態等に特に留意する必要がある【2068】
貸し倒れ及び空室のリスクについては、居住用の賃貸用不動産においても価格に影響を与えるため、「賃借人の属性」を分析する必要があります。
従って、「勘案する必要はない」とする本肢は誤りです。
