解答
解説
この問題は、総論第5章第3節「鑑定評価によって求める価格又は賃料の種類の確定」から問われている問題です。
(1)：誤
不動産の鑑定評価において求める価格は、基本的に正常価格であるが、鑑定評価の依頼目的にかかわらず、不動産鑑定士の独自の判断によって限定価格や特定価格を求めることができる。
「求める価格の種類」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意不動産の鑑定評価によって求める価格は、基本的には正常価格であるが、鑑定評価の依頼目的に対応した条件により限定価格、特定価格又は特殊価格を求める場合があるので、依頼目的に対応した条件を踏まえて価格の種類を適切に判断し、明確にすべきである【199】
従って、「鑑定士の独自の判断によって」とする本肢は誤りです。
(2)：誤
特定価格とは、市場性を有しないがゆえに正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値を乖離することとなる不動産の経済価値を表示する価格をいう。
「特定価格の定義」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう【212】
従って、「市場性を有しない」とする本肢は誤りです。
(3)：誤
特殊価格を求めることができる場合のひとつに、現況による管理を継続する公共公益施設の用に供されている不動産について、
この部分は正しい記載がされており、「特殊価格を求める場合」について基準には「公共公益施設の用に供されている不動産【217】」が例示されています。
その収益活動に主眼をおいた鑑定評価を行う場合がある。
「特殊価格の鑑定評価」について基準には「その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う【217】」と、に記載されています。
従って、「収益活動に主眼をおいた」とする本肢は誤りです。
(4)：誤
限定賃料とは、限定価格と同一の市場概念の下において継続的な賃貸借契約において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料をいう。
「限定賃料の定義」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意限定賃料とは、限定価格と同一の市場概念の下において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料（新規賃料）をいう【223】
従って、「継続的な賃貸借契約において」とする本肢は誤りです。
(5)：正
継続賃料は、賃貸借等の契約に係る賃料を改定する場合のものであり、特定の当事者間で成立するであろう経済価値を適正に表示する点で、正常賃料と異なる。
「継続賃料の定義」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意継続賃料とは、不動産の賃貸借等の継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を適正に表示する賃料をいう【227】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
