解答
解説
この問題は、総論第8章の様々な範囲から問われている問題です。
イ：誤
本肢は、総論第8章第2節「依頼者、提出先等及び利害関係等の確認」に関する問題となっています。
鑑定評価書の提出先等が未定の場合又は明らかとならない場合、鑑定評価書の提出先等に関する事項について、鑑定評価報告書への記載は省略できる。
「提出先等の記載事項」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意提出先等が未定の場合又は明らかとならない場合における当該提出先等については、その旨を明らかにすれば足りる【534】
従って、「記載を省略できる」としている本肢は誤りです。
ロ：正
本肢は、総論第8章第3節「処理計画の策定」に関する問題となっています。
処理計画の策定に当たっては、鑑定評価の基本的事項に基づき、実施すべき作業の性質及び量、処理能力等に即応して、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整、鑑定評価額の決定等鑑定評価の作業に係る処理計画を秩序的に策定しなければならない。
「処理計画の策定」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意処理計画の策定に当たっては、第1節により確定された鑑定評価の基本的事項に基づき、実施すべき作業の性質及び量、処理能力等に即応して、対象不動産の確認、資料の収集及び整理、資料の検討及び価格形成要因の分析、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は試算賃料の調整、鑑定評価額の決定等鑑定評価の作業に係る処理計画を秩序的に策定しなければならない【537】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ハ：誤
本肢は、総論第8章第1節「鑑定評価の基本的事項の確定」に関する問題となっています。
対象不動産である更地の物的事項の確定に当たって登記事項証明書等により登記又は登録されている数量と依頼者提示の測量図に記載されている数量が異なる場合は、登記又は登録されている数量をもって確定する必要がある。
本肢は、「対象不動産の確定」について述べられた選択肢です。
登記・登録されている数量と測量図の数量が異なる場合にどちらの値を用いるべきという規定はありません。実地調査を行った結果、どちらの数値も実際と大きく違っている場合もあります。
従って、「登記・登録された数量で確定するべき」とする本肢は誤りです。
二：誤
本肢は、総論第8章第2節「依頼者、提出先等及び利害関係等の確認」に関する問題となっています。
鑑定評価に当たっては、まず鑑定評価の基本的事項を確定しなければならない。このため、鑑定評価の依頼目的及び条件について依頼者に明瞭に確認するが、依頼が必要となった背景までは確認を要しない。
「依頼の背景の確認」について、基準には以下のように記載されています。
基準・留意鑑定評価に当たっては、まず、鑑定評価の基本的事項を確定しなければならない。このため、鑑定評価の依頼目的、条件及び依頼が必要となった背景について依頼者に明瞭に確認するものとする【525】
従って、「背景までは確認を要しない」とする本肢は誤りです。
ホ：正
本肢は、留意事項総論第8章「依頼者、提出先等及び利害関係等の確認について」に関する問題となっています。
依頼者と関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者との関係に関し、明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の資本的関係とは、当該依頼者の議決権につきその2割以上を当該不動産鑑定士が保有している場合その他これと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係である。
「利害関係の具体例」について述べられた選択肢であり、留意事項には以下のように記載されています。
基準・留意明らかにすべき依頼者と関与不動産鑑定士との間の特別の資本的関係とは、当該依頼者の議決権につきその２割以上を当該不動産鑑定士が保有している場合その他これと同等以上の資本的関係がある場合の当該関係であり、これらの場合において明らかにすべき内容は、議決権の割合その他当該関係に該当することとなった事項とする【2398】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
