解答
解説
この問題は、各論第2章第1節「宅地」及び第2節「建物及びその敷地」から問われている問題です。
イ：正
契約上の条件が変更されることに伴い宅地の賃料を改定する場合の鑑定評価に当たっては、契約上の条件の変更に伴う宅地及び地上建物の経済価値の増分のうち適切な部分に即応する賃料を、継続中の宅地の賃貸借等の契約に基づく実際支払賃料の改定を想定した場合における賃料に加算して決定する。
「条件が変更される場合の継続賃料の鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意契約上の条件又は使用目的が変更されることに伴い賃料を改定する場合の鑑定評価に当たっては、契約上の条件又は使用目的の変更に伴う宅地及び地上建物の経済価値の増分のうち適切な部分に即応する賃料を前記2．を想定した場合における賃料に加算して決定するものとする【752】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ロ：誤
宅地の正常賃料を求める場合の鑑定評価に当たっては、最有効使用に基づく宅地の経済価値に即応する適正な賃料を求める。
「宅地の正常賃料の特徴」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意宅地の正常賃料を求める場合の鑑定評価に当たっては、賃貸借等の契約内容による使用方法に基づく宅地の経済価値に即応する適正な賃料を求めるものとする【738】
従って、「最有効使用に基づく」としている本肢は誤りです。
ハ：誤
建物及びその敷地の正常賃料を求める場合の鑑定評価に当たっては、賃貸借の契約内容と建物価値及びその更地価値に即応する賃料を求める。
「建物及びその敷地の正常賃料の特徴」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意建物及びその敷地の正常賃料を求める場合の鑑定評価に当たっては、賃貸借の契約内容による使用方法に基づく建物及びその敷地の経済価値に即応する賃料を求めるものとする【760】
従って、「建物価値及びその更地価値に即応する」としている本肢は誤りです。
ニ：正
宅地の限定賃料の鑑定評価においては、隣接宅地の権利の態様及び賃貸借等の事例に係る契約の内容を総合的に勘案する。
「総合的勘案事項」について述べられた選択肢であり、基準には「隣接宅地の権利の態様【742】」、「当該事例に係る賃貸借等の契約の内容」が記載されています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ホ：正
建物及びその敷地の継続賃料を求める場合の鑑定評価額は、差額配分法による賃料、利回り法による賃料、スライド法による賃料及び比準賃料を関連づけて決定するが、
この部分は正しい記載がされており、「継続賃料の鑑定評価」について基準には以下のように記載されています。
基準・留意実際支払賃料を改定する場合の鑑定評価額は、差額配分法による賃料、利回り法による賃料、スライド法による賃料及び比準賃料を関連づけて決定するものとする【748】
いずれかの手法の適用ができない場合にはその合理的な理由を鑑定評価報告書に記載する。
「適用しない手法に関する記載事項」について述べられており、基準には以下のように記載されています。
基準・留意対象不動産の種別及び類型並びに賃料の種類に応じた各論第１章から第３章に規定する鑑定評価の手法の適用ができない場合には、対象不動産の市場の特性に係る分析結果等に照らし、その合理的な理由を記載する【2433】
これも本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
