解答
解説
この問題は、総論第2章第1節「不動産の種別」を中心に、様々な範囲から問われている問題です。
イ:正
本肢は、総論第2章第1節「不動産の種別」に関する問題となっています。
対象不動産に係る土地の種別が、住宅地とならないこともある。
「土地の種別」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意土地の種別は、地域の種別に応じて分類される土地の区分である【52】
つまり、土地の種別は、現況に関わらず地域の種別に従うということです。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ロ:正
本肢は、総論第5章第1節「対象不動産の確定」に関する問題となっています。
対象不動産に係る類型が、貸家及びその敷地とならないこともある。
「独立鑑定評価」、「部分鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準にはそれぞれ以下のように記載されています。
基準・留意不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、その土地のみを建物等が存しない独立のもの(更地)として鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を独立鑑定評価という。)【176】
基準・留意不動産が土地及び建物等の結合により構成されている場合において、その状態を所与として、その不動産の構成部分を鑑定評価の対象とすること(この場合の鑑定評価を部分鑑定評価という。)【177】
対象不動産の現況が貸家及びその敷地であっても、設定する対象確定条件によっては、更地、建付地、建物、借家権を鑑定評価の対象とする場合等が考えられます。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ハ:正
本肢は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」に関する問題となっています。
対象不動産の積算価格を求める過程において、取引事例比較法を適用することもある。
「再調達原価の求め方」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意建物及びその敷地の再調達原価は、まず、土地の再調達原価(再調達原価が把握できない既成市街地における土地にあっては取引事例比較法及び収益還元法によって求めた更地の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算した額)又は借地権の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算した額を求め、この価格に建物の再調達原価を加算して求めるものとする【329】
つまり、
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
二:正
本肢は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」に関する問題となっています。
対象不動産の比準価格を求めることができないこともある。
「取引事例比較法の有効性」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています
基準・留意取引事例比較法は、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の取引が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の取引が行われている場合に有効である【361】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ホ:誤
本肢は、各論第1章第2節「建物及びその敷地」に関する問題となっています。
対象不動産の収益価格は、実際実質賃料ではなく、実際支払賃料に基づいて決定される。
「貸家及びその敷地の鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意貸家及びその敷地の鑑定評価額は、実際実質賃料(売主が既に受領した一時金のうち売買等に当たって買主に承継されない部分がある場合には、当該部分の運用益及び償却額を含まないものとする。)に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準とし、【684】
従って、「実際支払賃料」としている本肢は誤りです。