令和5年-問題2　問題と解説（鑑定理論短答式過去問）

解答

解説

　この問題は、基準総論1章第4節「不動産鑑定士の責務」から問われている問題です。不動産鑑定士の責務は5つありますが、問われやすい内容ですので、すべて暗記することが望ましいと言えます。

(1)：誤

　この部分は正しい内容が記載されており、「秘密の保持」について基準には、「正当な理由がなくて、その職務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない【34】」と、記載されています。

　基準において、依頼者の利益を遵守することは求められていません。「不動産鑑定士の態度」について以下のように記載されています。

　依頼者の利益を遵守して鑑定評価を行うことは公平な鑑定評価を害する恐れがあります。
　例えば、賃貸人から依頼を受けた継続賃料の鑑定評価において、依頼者の利益を遵守しようとすると、差額配分法においては賃料差額の全額を賃貸人に帰属する部分として判定することとなり、公平な鑑定評価とは言えなくなってしまいます。
　従って、本肢は誤りです。

(2)：正

　「不動産鑑定士に必要な要素」について基準には、以下のように記載されています。

　「不動産鑑定士の説明責任」について基準には、以下のように記載されています。

　従って、本肢の内容は正しいです。

(3)：正

「不動産鑑定士に必要な要素」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。

　不動産鑑定士試験の科目に経済学があることからわかるように、この高度な知識には、国際的な金融・資本市場に関する知識も含まれます。
　鑑定評価の手法の適用に当たっては、収益還元法で還元利回りや割引率を査定する際に、金融市場の運用利回りを用いて求める場合があります。
　従って、本肢の内容は正しいです。

(4)：正

「不動産鑑定士に必要な要素」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。

　基準は経験の有無によって不動産鑑定士に必要な要素に限定を加えておらず、経験が浅いからと言って責務を果たさなくて良いということにはなりません。
　従って、本肢の内容は正しいです。

(5)：正

　「不動産鑑定士の社会的責任」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。

　従って、本肢の内容は正しいです。