〔問題〕
宅地見込地の鑑定評価に関する次のイからホまでの記述のうち、誤っているものをすべて掲げた組合せはどれか。
イ 宅地見込地の鑑定評価額は、比準価格及び当該宅地見込地について、価格時点において、転換後・造成後の更地を想定し、その価格から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除した価格を関連づけて決定するものとする。
ロ 宅地見込地の鑑定評価に当たっては、特に都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度を勘案するものとする。
ハ 不動産鑑定評価基準に「当該宅地見込地の宅地化を助長し、又は阻害している行政上の措置又は規制」が鑑定評価額の決定に当たって総合的に勘案する事項として挙げられている。
ニ 不動産鑑定評価基準に「造成前における土地としての有効利用度」が鑑定評価額の決定に当たって総合的に勘案する事項として挙げられている。
ホ 熟成度の低い宅地見込地を鑑定評価する場合には、比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に基づく価格に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して決定するものとする。
(1) イとニ
(2) イとホ
(3) イとロとハ
(4) ロとニとホ
(5) ハとニとホ
解答
解説
この問題は各論1章第1節「土地」から問われている問題です。
イ：誤
宅地見込地の鑑定評価額は、比準価格及び当該宅地見込地について、価格時点において、転換後・造成後の更地を想定し、その価格から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除した価格を関連づけて決定するものとする。
「宅地見込地の鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意宅地見込地の鑑定評価額は、比準価格及び当該宅地見込地について、価格時点において、転換後・造成後の更地を想定し、その価格から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除し、その額を当該宅地見込地の熟成度に応じて適切に修正して得た価格を関連づけて決定するものとする。【675】
宅地見込地の熟成度に応じた修正についての記述が抜けているため、本肢は誤りです。
ロ：正
宅地見込地の鑑定評価に当たっては、特に都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度を勘案するものとする。
「宅地見込地の鑑定評価において勘案すべき事項」について述べられた選択肢であり、基準には「特に都市の外延的発展を促進する要因の近隣地域に及ぼす影響度【675】」が挙げられています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ハ：正
不動産鑑定評価基準に「当該宅地見込地の宅地化を助長し、又は阻害している行政上の措置又は規制」が鑑定評価額の決定に当たって総合的に勘案する事項として挙げられている。
「宅地見込地の鑑定評価において勘案すべき事項」について述べられた選択肢であり、基準には「当該宅地見込地の宅地化を助長し、又は阻害している行政上の措置又は規制【676】」が挙げられています。
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ニ：誤
不動産鑑定評価基準に「造成前における土地としての有効利用度」が鑑定評価額の決定に当たって総合的に勘案する事項として挙げられている。
「宅地見込地の鑑定評価において勘案すべき事項」として基準には、「造成後における宅地としての有効利用度【676】」が挙げられています。
従って、「造成前における」としている本肢は誤りです。
ホ：正
熟成度の低い宅地見込地を鑑定評価する場合には、比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に基づく価格に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して決定するものとする。
「熟成度の低い宅地見込地の鑑定評価」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意熟成度の低い宅地見込地を鑑定評価する場合には、比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に基づく価格に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して決定するものとする【677】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
