解答
解説
この問題は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」及び各論第3章第5節「ＤＣＦ法の適用等」から問われている問題です。
イ：正
本肢は、各論第3章第5節「ＤＣＦ法の適用等」に関する問題となっています。
DCF法の収益費用項目は、その定義の統一化が図られている。したがって、依頼者提示の収支関係資料において別の項目名が付されている場合、基準の定義に基づいた分類に変更することが考えられる。
「収益費用項目の取り扱い」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意ＤＣＦ法の適用により収益価格を求めるに当たっては、収益費用項目及びその定義について依頼者に提示・説明した上で必要な資料を入手するとともに、収益費用項目ごとに定められた定義に該当していることを確認しなければならない【821】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ロ：誤
本肢は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」に関する問題となっています。
DCF法の適用において分析期間を設定する場合には、原価法の経済的残存耐用年数と整合を図る必要があり、経済的残存耐用年数が15年であれば、15年間の毎期の純収益を明示する必要がある。
「分析期間」について述べられた選択肢であり、留意事項には「毎期の純収益及び復帰価格について精度の高い予測が可能な期間として決定する必要がある【2351】」と、記載されています。
従って、「経済的対応年数に合わせる必要がある」としている本肢は誤りです。
ハ：誤
本肢は、総論第7章第1節「価格を求める鑑定評価の手法」に関する問題となっています。
DCF法の復帰価格とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格をいい、
この部分は正しい記載がされており、基準には「復帰価格とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格をいう【396】」と、記載されています。
保有期間の満了年における純収益を最終還元利回りにより還元して求める。
「復帰価格の求め方」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意PR = an+1/Rn【397】
従って、「保有期間の満了年」としている本肢は誤りです。
保有期間満了時点において売却を想定する場合には、売却に要する費用を控除することが必要である。
この部分は正しい記載がされており、基準には「保有期間満了時点において売却を想定する場合には、売却に要する費用を控除することが必要である【2353】」と、記載されています。
ニ：正
本肢は、各論第3章第5節「ＤＣＦ法の適用等」に関する問題となっています。
鑑定評価報告書には、DCF法で査定した収益価格（直接還元法による検証を含む。）と原価法及び取引事例比較法等で求めた試算価格との関連について明確にしつつ、鑑定評価額を決定した理由について記載しなければならない。
「鑑定評価額の決定の理由についての記載事項」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意鑑定評価報告書には、ＤＣＦ法で査定した収益価格（直接還元法による検証を含む。）と原価法及び取引事例比較法等で求めた試算価格との関連について明確にしつつ、鑑定評価額を決定した理由について記載しなければならない【813】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
ホ：正
本肢は、各論第3章第5節「ＤＣＦ法の適用等」に関する問題となっています。
鑑定評価報告書には、DCF法で活用する資料について、依頼者から入手した資料をそのまま活用する場合、依頼者から入手した資料に修正等を加える場合、自らが入手した資料を活用する場合のそれぞれの区分に応じて、その妥当性や判断の根拠を記載しなければならない。
「DCF法適用時の資料に関する記載事項」について述べられた選択肢であり、基準には以下のように記載されています。
基準・留意ＤＣＦ法の適用に当たっては、ＤＣＦ法による収益価格を求める際に活用する資料を次に定める区分に応じて、その妥当性や判断の根拠等を鑑定評価報告書に記載しなければならない【810】
これは本肢の内容と合致しており、本肢の内容は正しいです。
